「又貸し」は禁止行為

意識せずに不動産トラブルの原因をつくることもあります。

禁止されていると知らずに「又貸し」をした場合もそのひとつと言えます。

賃貸マンションに住んでいる人が、転勤などの諸事情がありその物件に住むことができなくなりました。
それでもまたその場所に戻ってきた時にはそのマンションに住みたいという気持ちがあり、転勤期間も長くて2年程度だろうと見込んでいたため、自分が転勤をしている間、そのマンションを友人に貸す事にしました。
マンションの家賃は継続して自分が支払い、友人からは自分が支払っている家賃と同額の家賃を自分に支払ってもらっているので、自分としては「差額の利益」はありません。
友人は敷金・礼金を支払うことなくマンションに入居する事ができますし、私もこの地域に戻ってきた時に改めて物件を探す手間もかかりませんし、その為に敷金・礼金も必要がないので、これは今流行りの「ウィンウィン」だということで、友人への貸し出しを決めました。

読んでいると確かに「ウィンウィン」のような感じがしますが、これは「又貸し」と言って民法では禁止されている事項で「賃貸人の承諾を得なければ、賃借物を転貸、つまり他の人に又貸しすることはできない」と定められています。
また、国土交通省が公表している「賃貸住宅標準契約書」の中でも、無断転貸が禁止事項のひとつとして規定されており、違反した場合またはその違反が繰り返されるなど、貸主が契約続行をするのは思わしくないとした場合には、貸主は賃貸契約の解除を申し出る事ができ、結果として借主は退去を余儀なくされますし、場合によっては契約不履行として賠償金の対象なる時もあるのです。

自分は借主で家賃を支払っているのだから、支払っている物件に関してどのように利用をしようと自由だといった考えを持っている人も中にはいますが、借りている部屋の所有権はあくまでも貸主であって、借り手は「賃料を支払って住んでいる」だけに過ぎません。
この点を理解できずに、自分は家賃を支払っているのにと不動産トラブルだと言って不服を申し立てる人がいますが、そもそも論が間違っている為にこうした場合は「話にならない」と一笑されてしまうでしょう。

自分の不在時などに賃貸物件を友人あるいは知人などに住まわせたいと考えるのならば、まずは貸主である家主に了解をえる必要があります。
そして了解を得たうえで、その行動を起こさなければなりません。
又貸しをしようとしている人は「ウィンウィン」と思いがちですが、それにより損害を被るのは敷金・礼金を受け取れなかった家主です。
こうした家主の被害を防ぎ不動産トラブルを回避するために「又貸しの禁止」という法律が定められているという事を忘れてはいけません。

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